会いたくなあれ、ぼくに。今すぐ。

今年の夏は日本にいねえから。
聞いたときには、ふぅん、で済ませていた跡部の言葉がこんなにも自分にとって洒落にならない結果をもたらすことになるとは思いもしなかった。
気づいたのは夏休みも半ばに差し掛かったころである。
昼間はまだいい。大会の最中の練習は頭の中をテニス一色にしてくれたし、部員の誰かが必ず話し相手になるから考えなくてもいい。
問題は、家に帰ってきて一人で過ごす時間である。
夕飯を食べた後の時間がやたらと長く感じるのだ。少しの間ならリビングで姉や父親と一緒にテレビを見て過ごすのもありだが、それもあまり長く続けると「お前いい加減勉強しろ」と誰かに追い立てられる。すると、どうしても部屋でひとりになる時間ができてしまうのだった。

それで今日も、わからない問題を飛ばし飛ばしようやく2ページ進んだ数学の宿題をもてあまして、ベッドに転がる羽目になっている神尾である。

「・・・・・・」
窓から入る生ぬるい風に吹かれて、白い天井の上を電灯の陰がわずかに揺れている。
手持ち無沙汰だ。
深司あたりに何かメールでもしてやりとりをしようかと思うが、気分屋の友人を捉えて話しこめるだけの話題があるわけでもない。そもそもそういう話題は昼間に話しつくしている。
階下から進んでるか、と母親の見回りの声が聞こえてくるのに適当に返事をして、ごろんと寝返りを打った。
そのとき不意に携帯が鳴って、神尾は体勢はそのままベッドの下に手を伸ばしてストラップをつかんだ。
5秒ほどでとまってしまった着信音はメールのそれだったが、当然跡部からではない。ついでに言うと部の誰でもなかったし、知り合いでもなかった。なんのことはない、単なる出会い系サイトの広告メールである。
巧妙に受信拒否の設定を潜り抜けてくるメールに対してどこからアドレスがもれるんだろうなどと思っていたのは携帯を持ち始めた最初のうちだけだ。またアドレス変えたほうがいいかなとは思うが変えた後の連絡が面倒くさくて実行していない。
あきらかに用のないそれを残しておくのも嫌なのでさっさと削除してしまおうと動かした指がふと止まる。別に、件名と一緒に 表示された冒頭部分のプレビューに興味を惹かれたわけではない。
ただ、『夜が寂しいあなたに』というお決まりの広告文句があんまりにも今の自分に重なっていることに気づいてしまっただけだ。
(そういう意味でじゃ、ねえけど)
当たり前だ、と自分の頭の中の何かを振り払いつつ、今度こそ削除ボタンを押した。
別に跡部が日本にいたとして毎日会っていたいわけではない。今までも、神尾は部活やら一応勉強やらで忙しかったし、それ以上に跡部がなんだか神尾にはまったくよくわからない理由で忙しくて2週間くらい音信不通なことくらい珍しくはなかった。
要は感覚の問題なんだということくらい神尾は自覚している。
明日は会えなくてもこの週末くらいには会えるだろうと思えるのと。
明日もあさっても少なくともあと2週間、会えないと、明確にわかっていることと。
その差が、どうしようもなく胸をふさぐのだ。
「メールくらい出来んだろ……」
うっかり口から出てしまった不満はそのおかしな気分を運んできたメールと一緒に消去したいくらい恥ずかしかったが、別に誰が聞いているわけでもないだろうので部屋の中にとどめた。
だがそれも到底望めない。
跡部がメールなどしてこないことはわかりきっている。
普段から、跡部のメールときたら『何時にどこ』だけの呼び出しメールか『別に用ができた、代わりに明日来い』などのこちらの都合などお構いなしのキャンセルメールかどちらかなのだ。
神尾が不動峰の友人とやりとりするような他愛ない会話のようなメールなど、一度だって送ってきたことがない。いつだったかそれに対して「コピーして貼ってるだろう」と嫌味のつもりで言ったら「そうだ」とさも当然のことのように言われて、返す言葉もなかったりした。
そんな跡部のどのメールにもつい長く返してしまう自分ばかりが、メールのやりとりを楽しんでいるみたいで馬鹿馬鹿しくなったこともある。そう言ったら跡部は「話したかったら会えばいいじゃねえか」とあっさり言い放っていたが(そしてやはり神尾は言い返せなかったのだが)。
(じゃあ会えなかったら、どうするんだよ)
今みたいに。
アメリカだかイギリスだかしらないが、勝手に出て行った海の向こう、いくら跡部でもそんなにすぐには会いにこれない。ああ違う、逆だ。呼び出されても、会いにいけない。それでも、跡部はメールひとつを馬鹿にするだろうか。
跡部は、こんな気持ちにならないのだろうか。



「あー、寝てる」

からかうような姉の声で目を覚ました。
机の前に復帰できないままごろごろしているうちに眠ってしまっていたらしかった。
アイスミルクティーの入ったグラスをふたつトレイに載せてきていた姉が「勉強してなかったから没収かなあ」とついでに母親に報告に行こうとするのを慌てて引き止める。おかげでちゃんと目が覚めた。
「どおりで携帯がいつまでも鳴ってるはずよね」
貸しだからね、と勉強した形跡のない机の上にグラスを置いた姉は、なぜかそのまま部屋に居座ろうとした。勉強ちゃんとするように監視しておけと言われているらしいが、それに文句を言うより先にその言葉が気にかかった。
「え、いつ」
「今さっき。しばらく鳴って、一回切れて、またしばらく鳴ってたわよ」
自分の部屋で小一時間かけてネイルの手入れをしていたら聞こえてきたのだと言う。廊下挟んで向かいの部屋まで聞こえてくる音で目が覚めないってどういうことなのよ、と笑った。
結局姉が自分の分を飲み干してしまうまで神尾は机には戻らなかったのだが、最初から母親の忠実な部下というわけではない彼女は寝るならお風呂入ってからにしなさいよ、とだけ言い置いて、とめるまもなくCDラックから一枚弟のお気に入りを抜き取って自室に戻った。

姉に言われて確認した着信履歴は、両方とも知らない携帯の番号からだった。どちらもちょうど15秒ずつ鳴らされていて、15秒出なければ不在着信で音声応答になる設定にしてある神尾の携帯をそれぞれ目一杯まで鳴らしていた。
それだけでよくあるいたずらや詐欺の類ではないのだとは思えたもののやはり気味が悪くてかけ直してはいない。
神尾が登録をし忘れているだけのところからかかってきているにしても急用ならばまたかけてくるだろうと思って、そのときは放っていた。
が、何度立ち向かっても一向に数字で満たされることのない頭の中でふと、知らない番号の心当たりを見つけて困惑する。
あり得る、が、あり得ない、相手からの電話。
まさかな、と思ってもう一度着信履歴を見ようとフリップを開いたところで、まるでそれを計っていたかのようなタイミングで携帯が鳴り始めた。
さっきの番号からで間違いなかった。
動揺して出るかどうかを迷っているうちこの間変えたばかりの着信メロディが中盤に差し掛かっている。二度もかけてきているのだから、今度は15秒も相手は待たないかもしれない。一曲鳴り終わる寸前に意を決して通話ボタンを押した。
「……もしもし?」
探るような声になるのは普通だろう、まったく知らない人間かもしれないのに警戒しない方がおかしい。
だというのに電話の向こうの相手は理不尽にも、
『俺様に2度もかけ直させた挙句なんだその声は』
などと、不平をたれる。
「跡部、」
理不尽だと思いながら呼ぶ声の端に嬉しさが浮かんでしまうのは、もう仕方のないことで。メールでもなんでもいいから話したかった相手の声は、電話越しでも甘く響いた。解けない問題と一緒になって視界をふさいでいた靄が一息に晴れる。姉が早々に部屋を出て行っていてよかったと思った。今の顔を見られたらあとで何を言われるかわからない。隣の部屋からはさっき持っていかれたアルバムの曲が微かに聞こえてきていて、とりあえずしばらくは姉がこの部屋に来ることがないこともわかっているし、少しくらい声が高くなっても聞こえはしないだろう。
「よう、久しぶりだな。何の用だよ、つか何これ、国際電話?だってまだ帰ってねえんだよな?あ、お前、そういえば海外でも使える携帯持ってたもんな、今こっち夜の11時なんだけどさ、そっちは昼間だったりすんのか?」
『……お前な』
明らかに呆れを含んだ声でまくしたてるんじゃねえ、と言われて、ようやく我に返る。跡部が口をはさむ間もないくらいに一気に溢れた約2週間分の言葉のせいで息が切れた。その酸欠が原因ではもちろんなく、顔が赤くなるのが自分でわかった。
「あ、悪ぃ、あのさ」
『もういいお前喋んな』
「う」
そんなに俺様が恋しいんなら電話口で待ってろ、と、笑み含みの口調で言うのを聞きながらひとつ、深呼吸をする。ごまかすように読む気のない教科書のページを少し繰った。その音が聞こえるはずもないが、耳元でまた跡部が笑った気配がした。
『用があったわけじゃねえよ。そろそろお前が寂しくて泣いてる頃だと思ってな?』
「な、誰が泣くって、」
『俺様がいなくて寂しかったんだろ?』
言い当てられると咄嗟に嘘をつけない神尾だ。跡部もそれを知っているから、自分の言葉の後に数秒間があいただけで勝ち誇ったように言う。
『久しぶりに声が聞けて感動して泣いてるんじゃねえのか、今度は』
「泣いてねえ!」
『どうだかな。で、何が話してえんだ、俺と』
「え?」
電話ごしとはいえいつも通りのやりとりの間、無意味に問題集の上へ点描を打っていた神尾の手が止まる。
何がと訊かれても思いつかなくて。
いつ帰ってくるんだ、は、知っているし(夏休みが終わったら、だ)。
今何してるんだ、とか、近況を聞いたとして多分半分も内容を理解できないだろうし(サマースクールって何をしてるんだろう)。
かといってどんなところにいるんだとか、どんな人と一緒なんだとか、そんなことは別に聞きたくはない。
けれど何でもいいから話がしたかったはずなのにいざ話すとなると言葉が出てこないのは今に限ったことではない。会って話すときも同じだ。
共通の話題といえばテニスしかないから、一緒にいたとしてもそれ以外で交わす言葉は少ない。
でも、それでも会えればそれで、よかったのだけれど。
質問の答えを探すうちにずれていく跡部に対する願望をどうにもできない。携帯を持っている左手が震えた。
「……ねぇよ、そんなの」
『あ?』
急に、跡部の訝しげな声が憎らしくなる。聞きたかったはずの声なのに。さっきは思いがけない電話にあれほど喜んだくせに。
今自分が思っていることを跡部が理解できていないことが、跡部が同じ思いを抱いていないことが、憎らしくなった。
「お前と話したいことなんかあるわけねえだろ、なんで電話なんかしてくるんだよ、お前、話したきゃ会えばいいっていってたじゃねえか、できねえくせに」
自分でも唐突なうえ支離滅裂だとわかっている叫びのような訴えは最後まで言わせてもらえなかった。
唐突に切れた通話に呆然として通話終了のディスプレイを眺めていると、すぐにまた携帯が鳴り出した。ただ着信は電話ではなくて、メールが一通。神尾の知らないアドレスからだったが、差出人が跡部であることはすぐに知れた。
件名はなしで、本文にたった一行。
『今日はさっさと寝ろ』
危うく国際電話の電話口で「今すぐ会いたい」なんて馬鹿なことをいいかけたのを、察しのよい跡部は感づいて呆れてしまったのだろうか。
いつもの調子を崩さない、余計な情報は何一つないメールからは跡部の心中はとても推し量れなくて、神尾は先刻までと比べ物にならない倦怠を抱えてベッドに沈み込んだ。
日付が変わっても風呂に降りてこない息子を叩き起こしに来た母親には、目が腫れているのは今まで寝ていたからだと、うそをついた。



翌日。
大会の真っ最中だというのに部活に身の入らないわかりやすい落ち込みようをさんざん深司にぼやかれたあと。それでも午後までのメニューをこなして(最後の練習試合はぼろぼろだったが)、神尾はとぼとぼと家路についた。部活後気晴らしにゲーセンにでも行かないかと誘うほかの部活仲間を制して深司が「さっさと帰れ」と冷たく言ったのは、深司なりに気を遣ったからなのかもしれない。ゲーセンに行ったところで立ち直れないだろうことを知っているのは今のところ深司だけだ。ただ単に鬱陶しかっただけかもしれないけれど。
携帯は昨日ベッドの上に投げ出したままで、持ち歩いていない。家を出てすぐに携帯を忘れたことには気づいたのだが夏休み、部活のために学校と家を往復するだけなら携帯を使う機会もそれほどないからいいんだ、と自分に言い訳をして取りに戻らなかった。本当は、うっかり着信履歴や受信メールを見てしまったりしたら昨日の自分の醜態と、通話終了の冷たい音を思い出してしまいそうだからであることには目を瞑る。
(けど使わないのは本当だし)
夏休みも真っ只中の昼間に携帯に連絡をよこす相手はいない。神尾が部活漬けなのは周知だし、一番連絡を取り合うテニス部員とは当然コートで顔を合わせるのだから。
しいていうとひとりだけ神尾の都合などお構いなしに連絡をしてくる相手はいるが、それも昨日のことがあるから可能性はまずない。
(でも誰に言い訳してるんだか)
馬鹿馬鹿しくなってひとり振り仰いだ夏空の雲の間を飛行機がまっすぐに飛んでいく。どこへいくのかなあと思いを馳せかけてやめた。行った先がどこだったとしても、乗って会いにいけるわけではないから。
いくらなんでも恋しがりすぎだ。
と、思い直して前を向こうとした神尾のテニスバッグが、誰か体にぶつかった。
「あ、」
すいません、と、続けようとした口が「あ」の形のままで止まった。
「…前見て歩け」
「え、あと、なんで」
不機嫌に眉を寄せる跡部がなぜそこにいるのか聞きたいのに言葉がひっかかって出てこない。
「なんでもくそもあるか、お前のせいで明日帰る分も合わせて3日無駄にしてんだ」
地を這うような声で淡々と述べられる不平と肩をつかんでいる手のせいでこれが現実であることは理解できるものの、勝手な理屈で憤慨している跡部が何を言っているのかはよくわからずにテニスバッグを肩から滑り落としてしまった。
がしゃん、と、バッグの中の色んなものがぶつかり合う音が、やけに遠くの方で聞こえる。
頭の中は跡部、という名前と疑問符がぐるぐるめぐるばかりで一向に整理がつかない。
「てめえの言う通りだ、電話なんかするんじゃなかったぜ」
が、舌打ちひとつのあとで軽くなった肩を抱き寄せられ、囁かれた言葉にやっとのことで我に返った。
「じゃあしなきゃよかったんだろ!」
同時にかっとなって突き飛ばそうとした腕を跡部につかまれる。
「電話なんかなくたってよかったんだよ別に!普段電話なんてしてこねえくせに変なことするんじゃねえよ、昨日のさえなかったら普通に待ってられたんだよ俺は!」
しかも勝手に帰ってくるし。それを俺のせいにするし。なんで俺のせいなんだ。
これじゃあ昨日の続きだと思いながらも跡部の姿を目の前にしていると止まらなくて、叫んだ。
昨日と違うのは、たぶん今にも泣きそうになっている顔を跡部に見られていること、それに反してそんな神尾を見つめる跡部の顔がさっきまでよりも少し和らいでいるのがわかることだ。
おそらく跡部は神尾の言いたいことをもう、わかっている。
「……何だよ!」
それが気に食わなくて手首を掴まれたままの手を跡部の胸に向かって振り下ろそうとしても、止める跡部の表情はやわらかい、どころか、妙に嬉しそうに見えて気味が悪くなる。
「メールは」
「は?」
「用件だけ伝えられればいいんだよ、俺は。それ以外は電話の方が手っ取り早い」
唐突に話題を変えられて、またついていけていない神尾は思い切り怪訝な顔をした。跡部はかまわずに続けてくる。
「けど電話より、会って話せたほうがいいに決まってる」
「……当たり前だろ、だから」
それは、跡部が言っていたことだ。そして、昨日の電話以来の神尾の煩悶の原因。
「だから会いに戻ってきたんだろうが」
「それが余計なお世話だって……馬鹿じゃねえの、1日かけて飛行機で戻ってくんなよ」
「誰がてめぇのためだって言った?」
は、と鼻で笑って跡部が言う。その意味がよくわからない神尾が、他に会いたい奴でもいたのかと見当違いのことを考えかけたのに気づいたのか、つかんだままの手首を無理やりに引っ張りあげて、耳元で続けた。
「電話だけで満足できるわけなかったんだよ、俺が」
久しぶりに声聞いたら会いたくなった、そう言った跡部が二、三度神尾の背をたたいたのは、まだ興奮している神尾を宥めるためではなくて久々の抱きしめる感触を確かめるためなのだと、ようやくわかった。



跡部が今日は家に泊めろと言うのでとりあえず二人して神尾の家に向かって歩いている。携帯を家に置いてきたから泊まっていいかどうか確かめられない、と言ったら跡部は何のための携帯だと散々文句を言ったが、断られることは念頭にないらしく(どこからそんな自信が来るのか)さくさく歩を進めている。
「お前、なんか疲れてねえ?」
「あ?まともに寝てねえからだろ、時差もあるしな」
落ち着いて顔を合わせてみると、神尾から見ても長旅の疲労が顔に出ているのがわかる跡部は大きくひとつ欠伸をした。
「……俺のせいじゃねえからな」
「てめえのせいだぜ、あんな顔見なくてもわかるような声出しやがって」
「は?」
「今すぐ会いたいって言おうとしただろ、電話のとき」
「な、」
一言一句違わず言い当てられて、神尾はまた絶句する。
「聞いてから切ればよかったぜ、なぁ?」
にやにやと、隣から顔を覗き込んでくる跡部から逃げるようにして顔をそむけた。
「でも別に海越えて帰ってこいなんて頼んでないだろ……!」
「だから別にてめえのために帰ってきたわけじゃねえんだよ」
太陽はいつのまにか沈んで、夕焼けも夜空に押しのけられようとしている。ちょうど二人の進行方向にそろそろはっきりと輪郭をとり始めた月が浮かんでいた。それをちらりと見た跡部がぽつりと、
「俺が会いたいと思ったら月の裏側からでも会いに戻るぜ」
などと言うから。
今までの悩んだり、怒ったり、照れたりを全部忘れて神尾は、ばかだろ、お前、と、笑った。

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To:町田あきこ様
サイトの30000ヒット時のリクでした。お題は「携帯電話で話すふたり」
あきこさんありがとうございましたー♪