Genius211/データテニス崩壊
むしろ見ているこっちが崩壊。
乾がカッコイイっていうのは私だけの妄想じゃなかったんだね!!
今週ジャンプを読んだ人は男女を問わず乾の認識が書き換えられたとことと思います。
乾=男前だと!
2敗の青学、命運を乾に託す!!とアオリにもある通りまさに青学を背負って試合をする乾ですが、先週からの柳の反撃に大きく動揺中。
あっという間に2-2に持ち込まれて思わず「くそっ!」と。
乾は今までこういう言葉をほとんど口にしなかったのでなんだか印象的です。予測が外れて馬鹿な!?と驚くことはあっても感情的な言動はあまりしてこなかった乾が思わずこう口走るほどこの試合は特別力が入っているんですね。
それもそのはず、柳はかつてのダブルスパートナーであっただけでなくデータの師匠でもあったそうで。
二人とも元からデータテニスで自然とダブルスを組んだわけではなく、柳に教えられたものだったとは意外。
そんなこんなで一コマで1ゲーム取られて試合もひっくり返されてしまいがけっぷちムードもより濃厚に。
六角戦が、海堂の流血こそあったものの良い意味でフレンドリーでのんびりとした試合だったのに対して、立海戦は流石に決勝だけあってどの試合もキリキリしっぱなしですね。
今回不二を押し退けついにS1の座に着いたリョーマ(まあ、先手必勝なのかもしれませんが)も心配そうに見つめてますが、きっと海堂もポケットに突っ込んだ左手をぐっと握りしめているに違いありません。
どうやらここで終わりにするつもりらしい柳。
宴……相変わらず生きてる時代が違います。
「ふ…ふふふ」にはちょっとばかし「ついにキちゃった…!」と思ってしまいました、が、ここからですよ、今回の見せ場は!
俺はたった今からデータを捨てる!
今までずっとデータという存在として描かれてきた乾が、データを捨てる。
アイデンティティとも言えるものを投げ打ってでも勝ちたい、と。
そんな乾の宣言直後に柳はロブを上げながら「自分のプレイスタイルを捨てた者に勝利はない」
…次のページをめくるのが怖かったです。暗転、絶望、みたいな。(二割くらいは真田の所為です。濃過ぎ。)
でも乾は跳ぶんです。引き下がったりなんか、しません。
ここで乾の跳躍に反応する青学代表は、主人公のリョーマでもなく、部長代理として皆を見守る大石でもなく、共に青学三強の一角を担っていた不二でもなく、海堂薫なんですね…。
ここは乾との繋がりが一番強い人物が出てくるところですよね?
漫画によってはヒロインですよね?
でもそれがテニプリだと、乾の試合だと、海堂なんですね?
良いんですか、乾も私もこんなに恵まれてて良いんですか!!
もう、海堂は乾が好きってことで良いんですか!!
あの寡黙な海堂が、他人の試合中はどこにいるかもよく分からなくなるくらい静かに心の中で応援している海堂が、「先輩っ!?」って……!!
むしろ私が「海堂っ!?」ですよ!
でもこの乾の姿は海堂が神尾との試合で見せたあの気迫に通じるものがあって、ヨコシマな考えじゃなくても感慨深い。
そんな海堂の視線の先で高く跳ぶ乾。
おおおおおおおおお!
がぁっ!!
…人によってはキモいと笑うところなのかもしれませんが、いや、笑えないよ?
むしろ背筋が震えるほどカッコイイ!!
吠える口許アップの乾も、スマッシュを打つ乾も、あまりの気迫に涙が出るよ!!っていうか実際出たよ!!
氷帝戦のときに見せたあの咄嗟に軌道を変えたスマッシュになにか今までと違う手応えを感じていた乾が、ついにそれを自分のものにした瞬間ですよね。
渾身のスマッシュは柳のラケットを弾き飛ばし、そしてグッと握りしめられた左手には確かにデータ以上のものが掴まれていて……。
そして俺は過去を凌駕する!
連載211話目にして明かされた乾の素顔は。
…………カッッッッッッコイイッッ…………!!!!!
ああ……今までも眼鏡の奥にあの眼を隠していたと思うと……。
レギュ落ちしたときも、コーチ役に回ったときも、海堂にメニューを組んであげたときも、ひとり黙々と自らを鍛えているときも、手塚との試合のときも、河原で海堂にダブルスを持ちかけたときも、ブーメランの完成を見てコンビ解消を申し出たときも、それを海堂自身に却下されたときも……いつも眼鏡の奥にはあの眼が!!
あの眼が悔しさをにじませたり困ったように微笑んでたり真剣な眼差しだったりすると思うともうどうしようもないよ!!
それが普段は遮られて見えないというのが逆に魅力でもあるわけだけど、でも、この乾の表情を見ることができて本当に良かった!!
見せても最終回のネタかな〜と思っていたし、先週の柳の開眼を受けてもしかしたら乾も…?と思ったときは正直嫌だったんだけれど、許斐先生は見事に描き上げてくれました。
美形とか、整ってるとか、そういうルックス的なことの前に、熱い眼差しの乾が見られて本当に心から嬉しい。
ああ、なんか感想書きながらまた泣けてきちゃったよ…。
ルックス的なものに触れると、10.5の初期設定ラフ画公開で「乾くんは美男子かな」とコノミンも言っていたし、それなりに美形だと信じてはいましたけど、実際にこんな男前な素顔を見せられて逆に狼狽えています。
顔は良いし背も高い、理数系トップの頭脳だけどユーモアもある性格でテニスも強い。
なんかこれでモテないわけがないって感じ…?
まあ汁とかキモいとかを筆頭にいろいろアレなところがあるんだけど(笑)。
でもねえ。思わせぶりに眼鏡を外したりなんかしてあの顔とあの声で迫られたら落ちない人はいないんじゃないか!?
今まで眼鏡を外した乾が美形でかっこよくて海堂が「反則だ…!!///」とキュンとする漫画や小説は沢山読んできたけど………チクショウ本当に反則だ!!
うう、試合が始まる前に海堂を惚れさせちゃえ!とは言ったけど、本当に惚れそうだ。
でもこの表情は「先輩っ!?」と誰より心配してくれた海堂に見せてあげたい……。
展開自体は予想の範囲内なんですが、でもそれを予想以上に余す所なく描き切ってくれていて、本当に許斐先生ありがとう!
これから乾はどうなるんでしょうね…。
この時点での乾の真意が今後一切データを用いないということなのか(そしたらキャラ変わるよ…)、まだ分からないのがはがゆい。
データという要素自体は捨てないで、頭で考える前に反応する体の感覚を信じるってことなんでしょうか。
勝負に有効ではあるもののデータに束縛されることによって柔軟性を欠いていた乾がその縛られていた部分を解き放って一段階上のレベルに到達する、とかそういう感じなのかな。
冷静とは対局のがむしゃらさとか無鉄砲さを上手く取り込む。
冷静と情熱の止揚。
柳に教えられたデータテニスではなく、乾貞治自身のテニスのスタイル。
しっかりと根を張ることを祈っています。
|